カラス、返り討ちに遭う
- 2018/08/22 22:25
- カテゴリー:日記
家の近くの小川のほとりで、一羽のカラスが水の中から何かをくちばしで引っ張っていた。それは生き物なのかゴミなのか分からない。器用に、まるで運動会の綱引きのよーに引っ張っていた。
高めのガードレールに肘をついて私はそれを見ていたんだけど、そのうちに大変なことになった。
カラスがギャーギャー騒ぎ始めたんだ。
どうもカラスが引っ張っていたものは生き物だったらしく、カラスは逆に水に引き込まれそうになっていた。半分沈みながらギャーギャーわめいている。
私は最初のうち状況を呑み込めず、もしかしたら子猫がカラスに食べられそうになってるのかとちょっと思ったんだ。もしそうなら助けなきゃ!と思って、わざわざバッグからメガネを出して凝視したんだけど、猫じゃないみたいだった。水の中でも平気みたいだからね。しかも苦しんでいるのはカラスの方。
ワニの赤ちゃん?かみつき亀?ピラニア?
分からなかった。
勝負は決まったよーに見えたのだけど、カラスはそのうち水から出てきた。その動物はカラスを食べたかったのではなく、ただ身を守るために逆襲しただけなのだろう。
解放されたカラスはバサバサの放心状態で哀れだった。そしてしばらくしてヨタヨタ歩いて飛んでいった。
いったいあの小川には何がいるんだろう。多摩ゾン川みたいだ。
でもアレだね。私は子猫なら助けようと思うけど、カラスにはそういう感情が湧かなかった。意味の分からない差別だなーって、ちょっと反省したよ。
(このお話は2014年春頃書いたものです。UPするのを忘れてました)