ひるおび地獄

朝のテレビがアホだ。

ほっとくと、いつのまにかテレビショッピングになっている。

「あれ?もう‼」と怒ってチャンネルを変える。変えても変えてもテレビショッピングで、行きついた“普通の番組”はひるおび!とNHKだけだ。ひるおびはうまいことやっている。すべての道はひるおびに通じる。みんな他局のアホなテレビショッピングのせいでひるおびに誘導される。

ひるおびは同じ話題を延々薄く引き延ばして流している。まるでファミレスで意味も無く明け方までダベっている私のようだ。ファミレスでダラダラお喋りしているだけでテレビ番組になる。素晴らしい!うまいことやっている。

他局は目先の儲けだけに目が眩んでテレビショッピングを流し、まともな番組作りを放棄しているから、ひるおびはダラダラしているだけで視聴者が集まってしまうのだ。一度チャンネルを変えたらめんどくさいので、またわざわざ変えたりしない。視聴者もテレビなど見たくて見ているのではなく、暇でダラダラ見ているだけだから、ひるおびは成り立つ。ひるおびは隙間産業。えらいのだ。

ひるおびは昼を過ぎてもダラダラやっている。昼は各局テレビショッピングをやめて普通の番組をやる。バイキングとかヒルナンデスとか。それでも視聴者は惰性でひるおびからチャンネルを変えるのはめんどくさいので、かなりの割合で*視聴者はひるおびでダラダラしている。これがいわゆるひるおび地獄だ。

しかし、前述のようなことを人に話しても最近は通じなくなってきている。

「あ、テレビ見ん。テレビなんかおもしろい?」

これで終わりだ。若者のテレビ離れ。うちに来るNHKの調査員のおじさんは「テレビが無い」と言うと「今どきそんな家あるかいな」って顔で疑うが、その今どきは古いのだよ。今どきはテレビなど買わない。テレビ業界がつまらないダラダラ番組とテレビショッピングを流しているうちに、若者はテレビから離れてしまった。ダラダラ番組を見るくらいならツイキャスの素人配信のほうが、まだワクワクするのだ。この論文を読んだら是非テレビ会社の社長は反省してほしい。

*は本誌調べ

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【この記事を書いたのは2016年10月、関西地区でのテレビ事情です】

ひるおび!…2009年3月30日~TBS系で放送されている番組
ヒルナンデス…2011年3月28日~日テレ系で放送されている番組
バイキング…2014年4月1日~フジ系で放送されている番組