〖電気柵事故について考えた〗

動物除けの電気柵で人が死ぬという事故があった。どういう経緯でそういうことになったのかは当事者で無いのでよく知らないが、以前電気柵のたくさんある田舎に暮らしたことがある人間として、少し考えずにはいられなかった。

せっかく作った作物を動物に食べられて腹が立つのは分かるし、電気柵は値段が高いから、詳しい人なら自作に挑戦しようと思うのも分かる。たぶんそんな人は日本中にいっぱいいるのでは?

ちゃんとした市販品は(自作品も)高電圧がかかっていてもパルスになっているから一瞬静電気みたいにパチッとくるだけ。そして漏電遮断機が付いていて万一の場合でも電気は遮断される。だから触って死ぬことなんか無いのだと、私は田舎に住んでいた頃はそのように教えられていて、まったく気をつけていなかった。平気で跨いだりして遊んでいた 。

田舎は都会みたいに人が頻繁に通らないから「高圧電流注意!!」の看板もいちいち設置しないと思う。設置しようと思っていてもいつの間にか忘れる? 実際私が住んでいた所でそんな看板は見たことがなかった。見ればわかるだろ?って感じだ。むしろ都会から遊びに来た人たちが勝手に人の土地に入り込み山菜など盗むので、ピリッと一発お見舞いしてやりたいと思う人もいるかもしれない。

そもそも電柵を引くのは大変な仕事だと思う。あのニュースの観賞用紫陽花ですら何百メートルか電線を引いている。農家は何十アールも何ヘクタール(東京ドーム○個分)もある耕地を囲むのだ。どれだけ大変なことか。看板は何枚必要なのだろう???

そう田舎は大変なのだ。都会では想像がつかない色々なことがあるし、山の中で誰も見ていないからと、都会では許されないことが「なあなあ」に行われていたりもする。それが田舎だ。

事故の電気柵を設置した人が「死にたい」と言っているとニュースで聞いた。もし自分が設置者なら、きっと同じように思うのではないたろうか。ああ大変なことしてしまった。死んだ人に申し訳ない。死んでお詫びしたい。ごめんなさい。泣いても泣いても涙が出てくる…。

ほんの少しと思って悪いと感じつつやってしまうことは私にもよくある。例えば・・。

ベランダの手摺のトコに置いてる植木鉢がもしかしたら風とか何かで落ちるかもしれない。落ちたら人に当たって死ぬかも知れない。でもまぁその可能性は低いし、めんどくさいし、ほっとこ。

これがいけない。少しの労力とお金をケチったばかりに人を殺してしまうかもしれないのだ。植木鉢が落ちて自分の車に当たるのならいい。人の命に関わるかもしれないことは、先の先まで考えて気を付けよう。死んだ人は帰ってこない。人を殺しちゃおしまいだ。

 

※追記(2015/08/07)

設置者の方が自殺されたと聞きました。

もう、かわいそうでなりません。

どうかご冥福をお祈りします。

本当に痛ましい事故でした。

二度とこんなことが起きませんように。