〖ひまわりと少年〗

前を歩く爺さんのステッキを取り上げて

このひまわりを全部たたっ切ってしまいたい―

少年はあどけない顔をして、そんなことを思っていた。

誰も知らないのだ。少年がそんなことを考えていることを。

想像することもできない。

むしろ、そんなことを考えるとすれば自分の方だと思っているのだろう。